アミノ酸摂取のタイミング

準備運動

アミノ酸を摂取するのにタイミングというのはあるのでしょうか。

もちろんアミノ酸も栄養素である以上、人体にそれらが不足しているときが一番の必要なタイミングになることは言うまでもありません。人生というスパンで見た場合、生まれたばかりの赤ん坊には体内でアミノ酸を合成する能力が低いこともあり、当然大人に比べて多くの摂取量を必要とします。必須アミノ酸の中でも薬理作用の大きいヒスチジンや、免疫力の活性化や細胞組織の補修、増強などの役割を担うアルギニン、さらには神経伝達物質に関わり、精神活動において覚醒やストレスからの保護に役立つとされるチロシンなどは、特に注意して摂取させる必要があるようです。大人のアミノ酸の必要摂取量からみて、幼児なら1.5倍、3歳以上の子供でも1.2倍程度が必要であるという報告もあるほどです。

一方、大人の生活習慣というスパンで見た場合、必要とされるアミノ酸の大部分は3度の食事をバランス良く摂取することで補われています。幼児や子供に比べ、体内でのアミノ酸合成能力も上がり、摂取できる食物の種類も大幅に増えているわけですから、ひどい偏食でもないかぎり、通常の生活の中でアミノ酸摂取のタイミングに注意を払う必要はそれほどないでしょう。
(参考:グルタミンを含む食べ物

しかしこれが運動という観点からみると大きく変わってきます。というのも運動中に損なわれる筋肉を補修する役割は、他でもないアミノ酸が担っているからです。

具体的には運動を開始する1時間〜30分前、終了後30分以内、そして就寝1時間〜30分前には、バリン、ロイシン、イソロイシンといった、いわゆる「燃焼系」とよばれるアミノ酸を摂取することが良いとされています。これらをタイミング良く摂取することが出来れば、運動中に損なわれていく筋肉がその場で修復され、よりレベルの高い運動能力を発揮できるだけでなく、運動後には傷ついた筋肉を素早く回復させると共に、就寝中には大幅な疲労回復の手助けとなって、いち早い常態への復帰が可能というわけです。他の多くの栄養素がそうであるように、アミノ酸は過剰に摂取しても充分にその役目を果たすことなく、最終的には体外へ排出されてしまいます。また、一般的には副作用がないとされるアミノ酸ですが、特に子供の過剰摂取に関しては警告している文献も多く、注意が必要と言えるでしょう。過ぎたるは及ばざるが如しというのはアミノ酸においても変わらないというわけですね。