アミノ酸の認知度

アミノ酸のドリンク

「アミノ酸」という言葉自体は、学校の理科の時間に習う「一般常識」といって差し支えないレベルの言葉です。ペプチド結合という単語と一緒におぼえた人も多いのではないでしょうか。しかし、そのアミノ酸を「健康食品の雄」として世間に認知させたのは、何と言っても「アミノ酸飲料」と言えるでしょう。

「アミノ●●」といった商品名に代表されるそれらのドリンク群は、「脂肪を燃焼する」「不足がちな栄養素を補う」「美肌効果がある」などの謳い文句と共に、どこかエキセントリックでセンセーショナルなコマーシャルなどとあいまって、一大ブームを巻き起こしました。「ダイエット」と「健康サポート」と「美容効果」はまさにブームの常連客たちといった感じですが、それまで化学分野における化合物の一名称でしかなかったアミノ酸を、いつの間にか「万能食品」のような地位へと押し上げたのは、紛れも無くこのアミノ酸ブームだったといえるでしょう。

しかし一方で、このブームが長くは続かないという見方があります。さまざまな理由があるようですが、最大の理由は「アミノ酸の摂取による効用が実感できない」というものでしょう。アミノ酸飲料に関して言えば、含有されているアミノ酸と同等の量を通常の食事で摂取することは難しくないという場合がほとんどです。

普段の食事で摂れているアミノ酸を、さらに専用の飲物で摂ったからといって、目に見える効果が期待できないのは当然でしょう。また、アミノ酸はアミノ酸スコアと呼ばれるバランスシートが示すとおり、総合的にまんべんなく摂取しないと意味がありません。この点では飲料よりサプリメントに分があるといえるでしょう。

さらに根本的な問題として、「欠乏しているアミノ酸を摂取することは、人体にとって有益であることがほぼ証明されている」けれど「充足状態にあるアミノ酸をさらに摂取することで、何かしらの効果が期待できるかは不明瞭」という研究結果があります。こうしたことが世間に認知されるに従い、ブームは一過性のものになるということなのです。しかしまた他方では、アミノ酸の「補助的効能」と「バランス」が次第に認知され、運動の前後での積極的な摂取や、食事や調理法における効果的な摂取手段などが、今後もより広く認知されていくとも言われます。

人間が生きていく上で欠くことのできないアミノ酸ですから、正しい知識を持って上手に付き合っていきたいものですね。